2016年7月21日木曜日

NHKで糖質制限の番組2編

先々週の「ためしてガッテン」、昨日の「クローズアップ現代」で、糖質制限のテーマで放送していました。
糖質制限でダイエットが成功した例もありましたが、ふらつく、筋力低下、脱力感などの副作用があり、危険性もあり注意が必要だ、との主張でした。
しかし、今回の副作用に関しては、単なる誤解から来る副作用である事がわかります。

当クリニックでも、今後不妊治療に糖質制限の考えを応用しようとしています。当クリニックでの妊活食は、以下のような注意、勘違いの補正が必要なのですね。

1)糖質制限とは、単に糖や炭水化物を少なくすれば良いと考えていませんか?
 糖質制限食とは、単に糖や炭水化物を減らすのではなく、タンパク質や脂肪をたくさんとる必要があるのです。
 簡単に言えば、おかずをおよそ2倍にして頂ければ良いのです。例えば、1日、肉は200g、卵は3個以上、チーズは6個以上、などをとって頂きたいのです。最近はMEC食(ミート、エッグ、チーズ)と言う言葉も用いられています。
むしろ、タンパクや脂肪をどんどんとって頂く必要があるのです。「制限」ではなく、「タンパク、脂肪を増やす」のです。
 めまいや筋力の低下、脱力感は、単にエネルギー不足なのです。もっとしっかりた食べる必要があるのですね。しかし、糖質制限をしていれば、身は引き締まって、筋肉はつきます。

2)脂肪、油は悪いものと考えていませんか?
 むしろ、脂肪や油はどんどんとった方がよいのです。バターやラードはどんどんとって下さい。これで血糖は上がりません。マーガリンは悪い油ですので、とらないようにして下さい。

3)コレステロールは悪いと考えていませんか?
 実は、コレステロールは細胞膜を作っているのです。悪者ではなくむしろ必要なのです。最近ではコレステロールが多少高くても気にする必要がないとされています。むしろ、コレステロールが低い方が死亡率はずっと高くなるのです。

今後、タンパク質、脂肪をしっかりととるような栄養相談をして、しっかりとMEC食を不妊治療に応用したいと思います。準備できましたらばまた皆さんにお知らせ致します。


2016年7月16日土曜日

座薬鎮痛剤で、どれだけの採卵が可能でしょうか?

多くの方が、採卵時の痛みを気にされています。
膣から体内に針を刺すのですから、緊張して、怖がることは当然のことと言えるでしょう。
当クリニックでは、3種類の痛み止めの方法を採用しています。
1)ボルタレン座薬:  意識はあり、採卵後すぐに歩いてベッドに帰床。

2)ペンタジン点滴:   意識はあり、採卵後すぐに歩いてベッドに帰床。ボルタレン座薬よりも鎮痛効果は強い。使用後、しばしば吐き気が強い。採卵時の卵子の様子をモニターで見ることも可能。

3)プロポフォール点滴(麻酔):  意識はなく、痛みは全く感じない。採卵時の卵子を見ることはできない。

10個以内の卵子が少ない場合にはボルタレン座薬を主に使用します。この場合には、多くの場合、主に高橋が採卵をおこないます。
一般的には、ボルタレン座薬を使用する方から順に採卵を始めます。次にペンタジン、最後がプロポフォールの方の順になります。
採卵数が多い方や、採卵時の痛みがとても怖い方にはプロポフォールの麻酔がお勧めです。この場合には、藤田医師や熊耳医師が主に採卵をおこなっています。

ところで、先週、ご本人の意向もあり、お二人の方が、卵子数がたくさんにもかかわらず、ボルタレン座薬のみで採卵をおこないました。
そして、採卵数は、 23個と 21個の卵子が得られました。 
採卵は、高橋がおこないました。
お二人とも、採卵中、私や看護師さんと話をしながら、顕微鏡で卵子を探している様子もモニターで見ながら、採卵に要した時間は、15分8分でした。
採卵後はすぐに起き上がり、ベッドに帰床しました。
採卵中、痛みを感じないわけではありませんが、今では穿刺針も細いものを使用しているので、このように20個以上の採卵数の場合でも、座薬でおこなえる事があるのですね。これが最初というのではなく、ときどきあることなのです。
もちろん、すべての方に座薬のみで採卵が可能なわけではありませんが、採卵にとても不安を感じている方に、その不安を低下する材料になればとご紹介致しました。

2016年7月7日木曜日

アシストワンが雑誌で紹介されました!

先日、アシストワンが、雑誌で紹介されました。
他のサプリメントと一緒なのですが、皆さんにもご紹介致します。
先日発売された主婦の友社の「妊活スタートBOOK」の「サプリメントカタログ」のなかに、しっかりと紹介されています。
紹介ページの中央に燦然と輝いてきますね!皆さんわかりますか。

なんですと~~! わからないとおっしゃる!
しかたない。その部分を拡大致しますよ。よろしいですか。


いかがです!しっかりと紹介されているでしょう。
紹介文もしっかり読めますでしょう?
なんですと~~! 読めないとおっしゃる!

よろしいですか~!

抗加齢学会専門医(つまり私のことです)が開発
医薬品レベルのサプリメント
抗加齢医学を生かし開発された、医薬品レベルのサプリ。成分は男女兼用できる内容、かつ高濃度配合。個別包装で成分の劣化も防止。

良くぞ紹介して頂きました。
多くの方に知って頂けるきっかけになって欲しいものです。
少しでも皆さんの卵子や精子の状態が良くなるとうれしいな~~。





2016年7月6日水曜日

45歳、AMH<0.1、妊娠卒業!

45歳、AMH<0.1、体外受精で妊娠、卒業された方がいらっしゃいましましたので、ご紹介致します。出産時は46歳ですので、今年のシーズン記録です。

43歳で、もうおひとり、お子さんを希望されて来院。子宮鏡で子宮内膜ポリープを認めたために、内膜ポリープ切除術を施行。
1年前にすでにAMH<0.1となりましたが、体外受精を開始しました。
1回目 採卵3個 2個移植 化学的妊娠 クロミッド周期
2回目 採卵2個 2個移植   クロミッド周期
3回目 採卵4個 2個移植  クロミッドーHMG周期
4回目 採卵1個 移植できず  クロミッド周期
5回目 採卵3個 1個移植 妊娠、卒業   クロミッド周期
この間、DHEA、ビタミンD、葉酸を服用。
参考になることとしては
1)やはり、子宮鏡でしっかりと子宮内腔を検査する必要が確認できます。
2)AMH<0.1で1年たっても、卵子が複数とれることがあるのですね。ただ、これは個人差が大きいでしょう。
3)この方も今回が最後かもと考えていらしたそうです。今回は非常に幸運であったと思います。40歳以上ではやはり急いで治療に入る方がよいでしょう。
出産まではまだ道のりが長いですが、良い経過であることをお祈りしています。
 

2016年7月5日火曜日

他院で顕微授精3回後の40歳AIH妊娠例

このところ、ART以外での妊娠例が続きますが、またひとりご紹介致します。

前医で、顕微授精での採卵2回、胚移植3回の40歳の方が、比較的遠方から当クリニックにいらっしゃいました。
当クリニックでは、少しでも妊娠する可能性を高めるために、ART予定でも、すべての検査をおこなっています。特に反復不成功の方には一通りの検査は、見落としがないか確認するために、むしろとても重要なのです。

この方には、子宮卵管造影検査と子宮鏡検査をおこないました。
そして、子宮鏡検査をおこなったところ、12×6mmの子宮内膜ポリープがありました。反復不成功の方で、子宮鏡を受けていない方には子宮鏡は是非お勧めです。(今回は前医では子宮鏡検査は受けていなかったようです) 着床障害の検査には、子宮鏡検査は必須ですね。この方には、子宮鏡下の日帰り手術で子宮内膜ポリープを切除しました。

また、甲状腺機能の検査では、TSHが上昇し、甲状腺機能低下傾向があったので、チラジンSも補充しました。

内膜ポリープ切除後の周期には、翌周期に体外受精を控えていたので、自然周期での人工授精をおこないました。そしてなんと、以前は顕微授精を受けていたのですが、1回目の人工授精で妊娠されて、胎児心拍も認めたのです。
ご夫婦お二人とも今回の妊娠にとても驚かれて、胎児心拍を見たときには非常に感激されたようで、信じられない、とおっしゃって帰宅されました。

大切な教訓としては、
1)ARTをおこなう場合でも、基本検査は重要です。(子宮鏡、卵管造影検査、基本ホルモン検査、など)
2)精子の状態はかなりばらつきます。顕微授精を受けていても、タイミング、人工授精なども、無駄ではないのです。ARTの合間にはどんどんおこなって良いのですね。
3)子宮内膜ポリープや、重症の卵管水腫は、着床障害の大きな原因です。ARTでも子宮鏡や卵管造影検査はむしろ大切な検査であるとお考え下さい。





6月の妊娠数115例(記録更新しました)

6月の妊娠数が出ました。なんと、115例とクリニック最多の妊娠数でした。これは非常にうれしいです。ありがとうございます。1日16名の妊娠日もあり、月の記録更新の期待も少ししていましたのです。月100例以上は4回目です。

2016年 6月の妊娠数 115例 

ART妊娠    86例    (内訳:  IVF 29例  ICSI 8例    凍結胚移植 49例) 

 AIH妊娠    20例     

その他一般不妊治療   9例  (タイミング、クロミフェンなど) 

5月の妊娠数は少なかったのですが、6月は5月の2倍近くの妊娠数でした。特に伸びたのは、IVFの新鮮胚移植の妊娠でした。ラボのシステムを少しずつ改善・変更しているのですが、その現れであるといいな~。凍結胚移植は、妊娠100例だった2月と同じ49例でした。