2013年7月22日月曜日

クラインフェルター症候群(重度精子減少症)、射精精子でのICSIと妊娠

 クラインフェルター症候群は、染色体は47XXY(男性)でます。
症状としては、重度の男性不妊であり、無精子症か、わずかな精子しか認めません。
このような方には、通常は主に精巣から手術で精子を取り出すTESEが必要になります。

今回、射精精子に、わずかながら運動精子を認め、射精精子でのICSIにより2回目の妊娠をされました。
女性は33歳であり、採卵数は20個得られました。ICSIで多数の保存胚を得られました。
男性の体細胞の染色体異常があると、精子の多くが染色体異常であると考える方もいますが、必ずしもそうではなく、精子まで分化が進む過程で染色体異常は徐々に排除されているようです。
すでにICSIで1児をもうけており、今回2回目の妊娠です。この点に通常では精子の染色体異常は少なくないとされます。次回来院時に直接ご相談致しましょう。

2013年7月16日火曜日

婦人科内視鏡手術 全国統計    励みの記事です

 7月7日の読売新聞に、産科婦人科内視鏡学会の技術認定医の施設の内視鏡手術実績全国調査の結果が掲載されました。

 この調査によると、当クリニックは、子宮鏡下手術では、千葉県内では最も多い手術数です。なお全国では7位でした。
 当クリニックでおこなっている子宮鏡手術は、主に子宮内膜ポリープ切除術と、子宮鏡下子宮筋腫摘出術で、すべて日帰り手術なのがメリットと言えます。その他、子宮中隔切除術、子宮内膜癒着剥離術、なども日帰りでおこなっています。
 朝11時に来院、午後1時頃より手術開始。ポリープ切除術は10~20分、子宮筋腫摘出術は、10~40分程度です。あまり時間はかかりません。一方、3cm以上の子宮筋腫は、日帰りでの手術は困難で入院が必要でしょう。麻酔は静脈麻酔か全身麻酔になります。夕方5時には帰宅ですが、お迎えかタクシーのご利用をお勧めしています。
 体外受精での反復不成功の方では、3~4割の方に、子宮内膜ポリープや癒着が認められたとの報告もあります。したがって体外受精でも子宮鏡検査は重要な検査なのですね。

 卵管鏡下卵管形成術は、全国で6位でした。これは少ないので、どんぐりの背比べでしょうか。実際にはもっと多くしている施設があります。

 このデータは、内視鏡学会の技術認定医がいる施設であり、全国すべての施設のデータではありませんが、自分たちのおこなっていることが確認でき、とても励みになるものでした。
今後もがんばっていくぞ~!!



                                                         腹腔鏡  子宮鏡下 卵管鏡下
                 総数         手術  卵管形成術